一ノ瀬君が、私のことを、好き?

やっと言われた言葉を理解し始めた頭。

「あ、綾瀬さん?」

「え?あ!ご、ごめんなさい!」

何か、何か言わなきゃ!

ええと、なんて言えばいいの!?

だって初めてなんだもん!

「ごめん、おかしいよな。…でも、綾瀬さんのことばっかり考えちゃうんだ。大学でも、毎日会えたらいいな、なんて思ってたり、講義中も、部活中も、美味しいもの食べてたら綾瀬さんにも食べてほしいな、とか。」

一ノ瀬君、それって、それってね…

「私も、です。」

同じだよ。

たとえばきれいな雲を見たとき、可愛い花を見つけたとき、美味しいカフェオレを飲んだとき、一ノ瀬君と出会ってから、報告したいのは全部全部、一ノ瀬君なの。

「もう一回言うね。」

そう言って一ノ瀬君はわたしをまたまっすぐ見つめて。

「俺は、綾瀬さんが好きです。俺と付き合ってください。」

綾瀬ひなの、初めての恋の行方は…

「…よろしくおねがいします!」