ふーん。

半分も、かあ。

「真にもかわいい彼女おるし、俺も早く彼女ほしいわ。」

そう言って凛太朗さんはため息をついた。


東京旅行、最終日。

駅で家へのお土産を買った後、俺は部活のみんなへのお土産と翔也へのお土産を選んでいた。

まあ、無難にお菓子でいいだろ。

あとは…

目に付いたのはピンク色の箱に入った飴。

袋に東京の豆知識がたくさん書いてあるらしい。

そういえば秋山さん、あの時レモンの飴をくれたっけ。

確かいっぱい飴、持ち歩いてんだっけ。

俺、これを秋山さんに買って帰りたい。

そう思ったんだ。

喜ぶ顔が、笑ってる顔が、見たいなって。

俺にもっと、そんな顔を見してほしいなって思って。

「直君ー?そろそろ新幹線の時間だよー!」

「はーい!」

ちょっとだけ、わかったかもしれない。

俺、きっと秋山さんのこと、気になってる。

好きかどうかはわかんない。

だけど知りたいって思ってる。