今日の目玉イベントの一つはこの辺では今年初の花火大会。

規模は大きくはないんだけど、すごく綺麗なんだ。

「じゃあみんなで行こうか!」

榎本君が言う。

ちょっとだけ残念だけど、二人で綿菓子も食べたし、ヨーヨーも救えたし、お祭りを堪能できた。

「咲耶ちゃん、ごめんね…望ってば空気読めなくて…」

「いいのいいの!みんなでいる方が楽しいよ!」

千歩が申し訳なさそうに言うけど、一ノ瀬君もきっとみんなでいる方が楽しいだろうし…

「翔也ー!」

「おお!望じゃん!」

河川敷の入り口に川上君とくるみが手を振ってる。

少しだけだったけど二人きりの時間があって良かった。

「見えやすそうなところ見つけたから行こ!」

くるみ、なんだかんだ言って川上君と楽しそうに話してる。

案外お似合いのカップルになったりしてね。

「あ、そこ段差あるよ!」

「えっ?」

あっ、と思った時には遅くて、あたしは慣れない下駄のせいでバランスを崩した。

「…っと!危ねえ…」

い、一ノ瀬君の手が…!!