琢磨君、ごめんなさい!

「へえ!お姉さんいるんだ。結構年離れてるの?」

「うん、8才上なの。そういえばうちのお姉ちゃん、一ノ瀬君の一番上のお兄さんの律さんのこと知ってるって言ってたよ。」

二つ下の学年に王子様みたいな子が入ってきたってすごく話題になったらしい。

そんな少女漫画の中だけでしか聞いたことない話だけど、一ノ瀬君を見てたらなんだか納得。

「へえ、りっちゃんがねえ。たしかに顔はカッコいいけど中身知ったら…」

そうなの?

「超世話焼き。というか、過保護。まあ優しいけど。」

きっと家族思いなんだろうな。

「今度会ってみる?」

「えっ!?」

それって、…家に遊びに行くってこと??

「実際会ってみないとわかんないよ、りっちゃんのやばさ。」

一ノ瀬君ってサラッとそういうこというけど、海外じゃ当たり前というか、普通だったのかな?

男の子の家に遊びに行くのなんて小学生のとき以来行ってないよ。

「あ、望からだ。」

一ノ瀬君はスマホを取り出す。