「あれは金魚!直、したことない?」

川上君が振り返って言う。

「ない!やりたいけど持って帰ったらりっちゃんに怒られそうだな…」

「ならあっちは?ヨーヨーすくい。あれなら大丈夫だよ!」

くるみがヨーヨーの屋台を指差した。

「けーど!あたしお腹すいたからなんか食べ物買ってくるね!花より団子なんで!ってことでほら川上君、行くよ!」

くるみが目配せしながら川上君の腕を掴む。

「えっ!?あ、うん!」

いきなりそんなことをされた川上君は驚きつつもすごく嬉しそう。

くるみって小悪魔だ。

二人が行ってしまうと当然一ノ瀬君と二人になるわけで。

「よ、ヨーヨーやる?」

「やってみたい!」

ヨーヨーは一回100円。

紙でできた釣り糸みたいなのを垂らしてそっとヨーヨーの先についてる輪ゴムに引っかける。

あたしが狙った赤いヨーヨー。

「あっ…」

バチャン!

あと少しというところで糸が切れちゃった。

久々にしたけどなかなか難しいな。

「次は俺!」