和華ちゃんと桐嶋君はもちろん、付き合い始めたばかりだから、きっと二人になりたいはず。

ここで私が気を使わなきゃ!

「二人は?いいよな?」

柚木君に言われて、私は頷く。

はっ!

でももしかしたら、一ノ瀬君は私と二人なんて嫌なんじゃ…

「てことで、解散!また適当にメールするわ!」

そう言うと柚木君と希奈ちゃんは嬉しそうに行ってしまった。

「和華、俺達もいこっか。」

「うっ、うん…ひな、ごめんね!」

和華ちゃんが私に目配せ。

「ううん、楽しんできて!」

いつもわたしを助けてくれた和華ちゃんには楽しんでほしいから。

でも、よくよく考えたら一ノ瀬君と二人きりになるのはあの出会った日の夜以来だ。

ひゃー、なんか緊張する。

好きって自覚したからかな。

うまく話せない。


「どうしよっか、これから。」

一ノ瀬君は遊園地のパンフレットを眺めていった。

「…綾瀬さんは絶叫系好き?」