ちょっと恥ずかしいけど、着てみようかな。

「咲耶ー、ドリンク！」

「テーピングとって！」

再来週に試合が迫ったバスケ部は今日も練習に熱が入ってる。

この試合でもしかしたら最後になるかもしれない三年生の先輩を中心に毎日ハードな練習。

夏祭りの日も練習が午後まである。

バスケをすることはもうないけど、こうしてみんなのサポートをできることはすごく嬉しい。

「咲耶ちゃん、サーバーに水汲んできてもらっていい？」

愛先輩からウォーターサーバーを受け取り、水飲み場へ。

水飲み場に行って水をいれる。

うっ、なかなか重い。

「咲耶、それ待つよ。」

ひょいと腕が軽くなり、サーバーが消える。

「ありがとう、夏川。」

そういえばあたし、夏川に告白されたんだ。

返事もまだしてなかった。

今するべき？

だってあたしの答えはもう決まってるから。

「あの、夏川。あたしね…」

「咲耶さ、夏祭り誰かと行く？」

夏祭り…！

なんてタイムリーな！

「うん、友達と行く予定。」