すっかりカップルの二人。

「ひなのちゃんと律も行くよな!」

柚木君が私にチケットを渡す。

でも私、もし一ノ瀬君が行かないって言ったら完璧にお邪魔な存在だよね。


ど、どうしよう…

「綾瀬さん、行く?」

隣に座っていた一ノ瀬君が小さく私に言った。

「私は暇だけど…一ノ瀬君は?」

すると一ノ瀬君は口元を手で抑えながら言った。

「…綾瀬さん行くなら…」

っ…

ねえ、一ノ瀬君、そんなこと言われたら、わたし変に期待しちゃうよ。

これ以上ドキドキさせないで。

私、ゆっくりじゃないと頭がついていかないから。


そして迎えた、ゴールデンウィーク最終日。

私たち六人は遊園地にいた。

「よっしゃ、まず何から行く?絶叫系?絶叫系?」

「バーカ、まずはメリーゴーラウンドくらいでしょ!」

「は?メリーゴーラウンドって希奈、ガキくさ!」

楽しそうに騒ぐ二人。

「和華、ワンピースとか珍しいね。」

「似、似合ってないかな!?やっぱり変!?」

「ううん、かわいいよ。」