あの抜けてる愛姉がちゃんとマネージャーしてるなんて想像つかないけど。

「そうだ、この前アメありがと。」

「ううん、あんなものでよければいつでも!あたしアメいっぱい持ってるから。」

アメいっぱい持ってるってなんか大阪のおばちゃんみたい。

少し笑ってしまう。

「えっ!な、なにー!」

すると秋山さんの顔が赤くなった。

俺より数センチ上にあるその表情。

「またちょうだい、俺、黒アメ好き。」

「渋いねー、それうちのおばあちゃん好きなやつだよ。」

秋山さんは話しやすい。

他の話しかけてくる女子みたいにうるさくないし、さっぱりしてていい。

よく知らないけどうちの他の兄姉はこの学校じゃかなり有名人だったみたいで。

それ目当てか何か知らないけど入学してから集団になって固まって話しかけてくる女子たち。

本音はうんざり。

だから隣の席が話しやすい秋山さんで良かった。