同じく身長が高いお姉ちゃんは

「あたしたちが高いんじゃなくて日本の男子がチビすぎんの！自分のこと棚に上げてそんな失礼なこと言うやつはロクなやつじゃないし、いちいち相手にしてる時間が無駄！」

なんて言ってたけど、あたしはそんな強気になれないり

早くその場を離れたくて、身長が書かれた紙を先生から渡されるとすぐに視力検査のある保健室に向かった。

誰もいない廊下につくとさっきの紙を広げてみる。

172.8センチ、去年よりも3ミリ伸びてる。

もうバスケもしてないんだし、伸びたって意味ないのに。

「秋山さん！」

えっ？

廊下の向こうから走ってきたのは一ノ瀬君。

「先にA組から視力だよ、俺らは聴力からだから視聴覚室。」

あ、そっか。

そんなこと先生言ってたっけ。

でも、わざわざ言いにきてくれたの？

「ありがとう、ごめんね。」

「…あとさ、さっきの聞こえちゃったんだけど…」

やっぱりか…