言い返したっていいことなんて一つもないんだから。

「秋山さん、ここにのって。」

お願い、神様…

「…172.8センチ!まあ、大きいのね!」

…悪気はないんだろうけど、声が大きいよ!

入学した時から苦手なんだよね、隣のクラスの英語の田中先生。

年齢は50代で何かとリアクションが大きい。

悪い人ではないんだろうけど…思ったことすぐに言いすぎ!

「うわー、秋山172だって!俺と同じくらいじゃん!」

「ないわー、デカすぎ。」

容赦ない言葉が胸をドスドスつく。

慣れてる、平気。

傷つくだけは許すけど、泣くなんてバカらしいよ。

でも、自然と目が言葉が聞こえた方にいく。

同じクラスの高山君と佐藤君。

サッカー部で少しちゃらめの二人だ。

そしてその奥には身長を測っている一ノ瀬君。

…聞こえたかな?

聞かれたかな…最悪。

一ノ瀬君もデカイって思ったかな。

一ノ瀬君もあたしみたいなデカイやつ、対象外って思うのかな。