けど、目立ちたくないあたしはこれでいい。

ただでさえこの身長のせいで目立つんだから。

身長が伸び始めたのは小学五年生の頃から。

周りよりぐんぐん伸びていって、中学に入る頃には165センチ近くあった。

男の子よりも頭一つ分大きくて、よくデカ女、なんてからかわれたけどそんなに気にしていなかった。

なぜならあたしより背の高いお姉ちゃんに言われていたから。

「咲耶、大丈夫。中学になると男子の方がグングン伸びて女の子は身長止まるんだから。」

それに小4から始めたバスケではセンターをしていたので身長が高い方が有利だった。

それもあってさほど気にしてなかったあたし。

だけどお姉ちゃんの予言は少し外れた。

確かに周りの男子はグングン身長が伸びて、幼馴染で中学から同じバスケ部の夏川なんて三年間で25センチも伸びたって言ってた。

あたしの周りの女の子たちも身長が止まった、と言っていた。