高校生には見えないその姿はどことなく、愛姉に似てる気が…

ってやばい。

俺、すでにもうあの家の異常なほどのシスコンブラコン遺伝子に染まりつつあるかもしれない。

「千帆は幼馴染で、昔から知ってんの。」

幼馴染…

なんかそういうの、いいよな。

転校を繰り返してきた俺には幼馴染なんていない。

「直君の目、すごく綺麗だね。ビー玉みたい。」

俺の顔を無邪気に覗き込んで笑う千帆。

少しドキッとした。

ハーフなせいでからかわれてきたことも何度かあったけど、こんな風に言われると少し照れる。

「髪もサラサラだし、羨ましいな、わたし、天然パーマなんだよね。」

千帆の髪はふわふわしていて、なんだか犬みたい。

ニコニコしてるその雰囲気も、ちっちゃいところもコロコロと変わる表情も全部小型犬みたい。

「直君!」

千帆のその声で呼ばれるたび、なんだか気持ちが落ち着かなくなる。

初めての感覚だった。