買ってもらったばかりのスマホで登録したばかりの番号を探した。

ワンコール、ツーコール、

「もしもし、なんだよ、直、早速、お兄ちゃんが恋しくなったのか?」

相変わらず元気そうだ。

「まあそんなとこ、ところでさ、相談なんだけど…」

俺はあったことを話した。

真兄は黙って俺の話を聞いていた。

「そりゃあ、入ればいんじゃね?てか、入れって言われると思うぞ。律兄とかは。」

そうだよね。

だって優兄が留学に迷ってた時も、俺はいなかったけど真兄が東京に進学するのを迷ってた時も遠慮するな!やりたいことしろ!って言ってたらしいから。

「わかった、ありがと。」

「頑張れよ、また帰った時ゲーム強くなっとけよ!」

変わったこと。

それはこうして、相談できる大切な存在が増えたってことだ。

初めは不安と、戸惑いしかなかった。

写真家の母さんは父さんが亡くなってから俺を育てるために今まで以上に世界中を飛び回るようになった。