「あのね、愛ちゃんから猫、引き取ったんだよね?」

「ああ、リンのこと?」

ということは、今リンちゃんは久住君のお家にいる。

「実は…」

久住君に話した。

一ノ瀬君のこと。

「ふーん、そっか。なら、うちに見に来る?」

「えっ、いいの?」

それはきっと、一ノ瀬君も喜ぶよね!

「いいよ、水曜は部活ないから、放課後来る?」

「ぜひ!ありがとう!久住君!」

これで一ノ瀬君も元気出してくれるかな。

楽しみだなぁ。


帰り道。

やっぱり一ノ瀬君はご機嫌斜め。

というより、なんか前よりも機嫌が悪くなっている気がするのは私の気のせい?

「あの、一ノ瀬君…」

「なに。」

なんか怒ってらっしゃる?

私、何かしでかしちゃった?

「…ごめんなさい…」

すると一ノ瀬君の目が私を見下ろした。

「謝るようなこと、してるの?」

え?

どういうこと?