「あ、そうだ。」

歩きだした優ちゃんはまた止まった。

「…ねえ、みい。一つお願いがあるんだけど。」

お願い?

「なあに?」

「うん…あのさ、俺のこと、優ちゃん、じゃなくて、呼び捨てで呼んでくれないかな。」

えっ、それって「優」って呼ぶってこと?

優ちゃんは小さい頃からずっとそう呼んできたから癖がついちゃってるもん。

…呼べるかな?

「…ゆ、優?」

やっぱり慣れない!

「なんか変!」

「ちょっとずつ慣らしていってよ、みい。」


恋人同士になって、少しずつ今までと違ったことが増えていく。

それは恥ずかしくて、でも嬉しくて。

「でもなんで急に?」

「それは秘密。」





(真にヤキモチ妬いた、なんて今は内緒。)


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