文句なんて言えないよ。

「優ちゃんは私が彼女でいいの?私なんて、なんのとりえもないし…」

顔だってスタイルだって良くないし、さっきの人たちみたいに大人っぽくなれない。

すると優ちゃんは私の膝においていた手を優しくとった。

「俺はみいが好き。みいじゃなきゃダメなんだ。」

またきた、直球ど真ん中ストレート。

だったら私もたまには打ち返してみよう。

「…私もね、優ちゃんが大好き。」

好きっていうのはどうしてこんなに恥ずかしくて、照れくさくて。

だけどすごく幸せに、嬉しい気持ちになれるんだろう。

言葉にするだけで改めて、好きだな、そばにいたいな、って再確認できる。

「…あ!そうだ、今日バレンタインでしょ?これ、優ちゃんに。」

お互いの間に流れる照れくさい空気を振り払うようにラッピングした紙袋を渡した。

「ありがとう。」

「あとこれも。今日玲君と愛ちゃん、お誕生日だよね。」