「私、昨日人を殺したんだ」
卒業式の次の日に部屋の前で彼女はこういった。
「自分のお母さんを殺したの、もう嫌になっちゃって...」
「どっか近くの警察署に、自首してくるよ」
くるりと後ろを向いて、歩き出した。
「待って!今から出ていかない?」
彼女の手を咄嗟に掴んで叫ぶ。
「...どこに」
「どこでもいい!この街からずっと遠いとこに!」
彼女は振り返ると
「...ほんとに私でいいの?この街を出ていくだけなら私が居なくても...「よくない!!...あなた私とここを出ていくって、約束したじゃんか...」
勢いに任せて言葉を言い放つと、彼女は目を見開いて私の事を見た。
「...そんな時の約束、まだ覚えてたんだね」
「当然だよ。優との約束なんだから...」
彼女は顔を伏せると、私の手を握りながら床にポツンと言葉を零した。
「早く行こう、こんな場所から早く離れたい」
彼女はこういった。
「...何かいるものがあったら、このリュックの中に入れて」
持っていたリュックに、財布と水筒、服とスマホを入れた。あと、ナイフも。
「私、貯金してたお金もって来た。だいたい150万くらい」
「わかった。とにかく全部持ってこ」
別の鞄を用意してその中にお金を詰めた。それを優に渡すと、私はリュックを背負って玄関から外に出た。すると
「この家はどうするの?」
と聞いてきた。
「安心して、この家は今日出ていくつもりだったから」
そうなんだ、と頷くと玄関から外に出た。生暖かい春の風が全身を包み込む。
これから、旅が始まるのだと思うと、少し不安になる。
彼女は顔を伏せていた。
「大丈夫だよ。私が最期までずっと一緒にいるから」
彼女の手を引っ張って、私たちは歩き出した。
何分か歩くと駅が見えてきた。特急の切符を買って、改札を通る。時刻表を見ると次の電車は22時30分となっていた。
現在の時刻は22時25分だ。黄色い線の内側にたって、電車を待つ。
『まもなく、3番ホームに電車が到着します。黄色い線の内側にたってお待ちください』
と、アナウンスが流れた。
電車のライトが駅のホームを明るくて照らし、電車が停車した。扉が開き、人が何人かでてきた後に急いで電車に乗り込んで指定の席に座る。何秒か後に音楽とともに扉が閉まった。
電車が走り出すと、段々とスピードを上げてガタンと音が鳴る。
卒業式の次の日に部屋の前で彼女はこういった。
「自分のお母さんを殺したの、もう嫌になっちゃって...」
「どっか近くの警察署に、自首してくるよ」
くるりと後ろを向いて、歩き出した。
「待って!今から出ていかない?」
彼女の手を咄嗟に掴んで叫ぶ。
「...どこに」
「どこでもいい!この街からずっと遠いとこに!」
彼女は振り返ると
「...ほんとに私でいいの?この街を出ていくだけなら私が居なくても...「よくない!!...あなた私とここを出ていくって、約束したじゃんか...」
勢いに任せて言葉を言い放つと、彼女は目を見開いて私の事を見た。
「...そんな時の約束、まだ覚えてたんだね」
「当然だよ。優との約束なんだから...」
彼女は顔を伏せると、私の手を握りながら床にポツンと言葉を零した。
「早く行こう、こんな場所から早く離れたい」
彼女はこういった。
「...何かいるものがあったら、このリュックの中に入れて」
持っていたリュックに、財布と水筒、服とスマホを入れた。あと、ナイフも。
「私、貯金してたお金もって来た。だいたい150万くらい」
「わかった。とにかく全部持ってこ」
別の鞄を用意してその中にお金を詰めた。それを優に渡すと、私はリュックを背負って玄関から外に出た。すると
「この家はどうするの?」
と聞いてきた。
「安心して、この家は今日出ていくつもりだったから」
そうなんだ、と頷くと玄関から外に出た。生暖かい春の風が全身を包み込む。
これから、旅が始まるのだと思うと、少し不安になる。
彼女は顔を伏せていた。
「大丈夫だよ。私が最期までずっと一緒にいるから」
彼女の手を引っ張って、私たちは歩き出した。
何分か歩くと駅が見えてきた。特急の切符を買って、改札を通る。時刻表を見ると次の電車は22時30分となっていた。
現在の時刻は22時25分だ。黄色い線の内側にたって、電車を待つ。
『まもなく、3番ホームに電車が到着します。黄色い線の内側にたってお待ちください』
と、アナウンスが流れた。
電車のライトが駅のホームを明るくて照らし、電車が停車した。扉が開き、人が何人かでてきた後に急いで電車に乗り込んで指定の席に座る。何秒か後に音楽とともに扉が閉まった。
電車が走り出すと、段々とスピードを上げてガタンと音が鳴る。