私たちが観た映画は、闘病生活を送る娘とその家族の物語。

主人公は闘病生活に苦しみ、やがて治療を拒否してしまう。けれども、自分を支えてくれる兄や両親の存在が、彼女に「生きたい」と思わせてくれた。そして拒否を続けていた治療に向き合うように。その後、余命宣告されていたはずの彼女は、病気を克服。
彼女と、彼女を支え続けた家族は喜びの涙を流した。

ラストは本当に感動して、2人して大泣き。
勇気と感動をくれた、優しくて温かい物語だった。

「泣ける〜。良かったよ本当に。病気が治って。」

私はティッシュで涙を拭きながら言う。
隣で星凪くんも泣いて、服の袖で涙を拭ってる。

「感動だったわまじで。こういう家族憧れる。」

「だよね!家族愛が最高だった。私もこういうの憧れるなぁ。どんな時でも支え合っていけるって、いいよね。」

「愛莉菜。」

星凪くんは赤くなった目で、私を真っ直ぐ見てる。

「何?」

至近距離で見つめられると、恥ずかしくて目を逸《そ》らしてしまいそうになる。

「死んでも一緒だからな。お前の事、離さないから。」

そう言って、私の頬に優しく触れて、そして唇は重なる。そのキスは、甘い味がした。