隣に居る星凪くんは、クッキーを食べながら映画に夢中になってる。

怖くないのかな?

私は怖くて、星凪くんの腕をギュッと掴んでる。そしたら星凪くんが、私を胸に抱き寄せてくれた。

「違うの観るか?」

優しく髪を撫でて、私に問いかける彼は、すごく優しい。私の事を1番に考えてくれる彼は、本当に王子様だ。

「ごめん…こんなに怖いとは思ってなくて。」

「いいよ。何観る?あ、家族愛の感動物語とかあるけど。」

「それ観たい!感動ものとか大好き!あ、でも、誰か死ぬとかじゃないよね?バッドエンドは本当に無理なんだけど。」

「大丈夫っぽい。口コミ検索したら、ハッピーエンドで最高でしたって書いてる。」

結局ホラー映画は途中でやめて、感動ものを観る事に。星凪くん、本当は怖いやつ最後まで観たかったんじゃないかな?ごめん、私の我儘で…。

「あーりな。そんな顔すんな。中断したの気にしてんだろ?」

そう言って星凪くんは、私の頬を軽く引っ張る。

「い、いひゃい…。(痛い)」

「映画はいつでも観れるしさ。だから気にすんなよ。俺は、愛莉菜が観たい映画を観たいの。分かった?」

本当に優しいよな、この人は。