「実は俺も、同じのあるんだ♪」

そう言って、彼は部屋からチョコドーナツのピアスを持って来た。

「これさ、イヤリングとして売ってて。で、ピアスにも出来ますって店員さんが。だから俺はピアスにしたんだ。お揃い。」

幸せいっぱいの私は、星凪くんに抱きついた。
すると星凪くんは、私を強く抱き締めてくれた。

あぁ、甘酸っぱいベリーの香りがする。星凪くんの匂いだ。

「嬉しい。星凪くんとお揃いだ。学校以外は、毎日身に付ける。」

「俺も毎日身に付けるよ。」

「あ!」

私は何かを思い出して、パッと彼から離れる。すると彼は、寂しそうにしょんぼり顔。

「あ、ごめん。私もね、星凪くんにプレゼントあるの。忘れるとこだった。」

ソファの上にトートバッグと一緒に、小さな紙袋を置いていた。その中には、私がお母さんと一緒に作ったクッキー。

「これ!星凪くんの口に合えばいいんだけど…。お母さんと一緒に作ったの。良かったら。」

手作りお菓子なんて、人にあげるの初めてだから緊張する。

「いいの?」

「うん!あ、でも、口に合うか分かんないけど…。」