金髪の人は制服を着ていて、必死で顔を守るけれど、男たちは暴力をやめない。

「おら、立てや!」

倒れている彼を無理やり立たせ、殴る蹴るを繰り返す。

このままじゃ、死んじゃう…っ!

本当は知らないフリをしたかった。殴り合いなんて怖くて、関わりたくない。だけど、傷だらけの金髪の人だって、私以上に怖いはずで。

助けなきゃ!

気付いたら、私の身体は動いていた。

「…あ、あのっ!」

私の声に振り向く男たち。

煙草を咥《くわ》え、私を睨み付けるのは、リーダーっぽい人。そう思うのは多分、雰囲気がそんな感じしたと言うか、1番怖いって思ったからだと思う。

「あ?誰だよてめぇ。ガキが。」

…怖い。
怖すぎて、私は俯《うつむ》いてしまう。

そんな私の顔を覗き込むのは、丸刈りのガムを噛んでいる男。

「女じゃん。もしかして、こいつの妹とか?」

「妹に助けられてやんの!だっせぇ〜!」

男たちの笑い声が怖くて、私は逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

「くたばれや、おら!」

…っ⁈

男たちは再び、金髪の人に痛みを与える。