暑くて汗が2人の首筋を流れていく。それでも、抱き締めたこの手を離したくない。

「一瞬でも、怖いと思ってごめんなさい…。私の知らない星凪くんが居て、怖くて。だから昨日声をかけられなかったの。でもね、私の気持ちに嘘なんてないよ。星凪くんが好き。こんなにも優しくてお砂糖対応の王子様、他に居ないもん。」

激甘ヤンキーは、私だけの特別なケーキ。

私だけにお砂糖対応で、不良である事を時々忘れがちだけど、でも彼は本当に不良なんだ。

喧嘩に弱くても、気が短くてすぐ手が出てしまう。売られた喧嘩は、逃げる事なく買ってしまうし、心に余裕がないと、本当怖い顔になっちゃう。そんな星凪くんでもいいよ。

だって、星凪くんの私への愛は本物だって知ってるから。ケーキ以上に甘く優しい。そんな愛を、私は他に知らない。

「愛莉菜。ありがとう。愛してる。」

そう言って、2人の唇が重なり合おうとしている時、公園で遊びまわる子供たちの声に、私は外で一体何を⁈と恥ずかしくなって、つい星凪くんから顔を背けてしまった。

「俺とキス、嫌?」