あれ?これって、私たち、同じ事を考えていたって事だよね?

別れたくない。そう思っているのは、私だけじゃないんだよね?

「いっぱい優しくして甘やかして、貢ぐから。だから、俺が居ないと生きられないくらいになってよ。頼むから、他の奴がいいとか、言うな。」

その顔は、涙でぐちゃぐちゃだった。
星凪くんが、私を失う事を恐れて泣いてる。

それが嬉しい。

「…俺は、お前じゃなきゃ、無理なんだよ。お前が、俺に孤独を忘れさせてくれた。だから、頼むから、嫌いなんて、言わないでくれ…。」

彼はそう言って俯いた。泣き顔を見られたくなかったのだろう。必死で涙を拭うけれど、溢れる涙は止まらない。

私はブランコから降りて、ふわっと、優しく彼を抱き締めた。

「…愛莉、菜?」

「星凪くん、私の事、大事に想ってくれてありがとう。私もね、今日会うのが怖かったの。もしかしたら、別れ話なんじゃないかって…。だけど、そうじゃなくて安心した。」

私の言葉に、星凪くんは私の背中に腕を回し、ぎゅっと強く抱き締めてくれた。