2人はブランコに腰を下ろし、星凪くんは話し続ける。私は、涙を拭いながら、その話を黙って聞いていた。

「それで、そいつも不良だし、当然殴り合いになって。なんか、そいつ、愛莉菜の事好きみたいだったし、だから、邪魔だなって思った。」

私のフォロワーの中に、星凪くんの中学時代の同級生が居て、それでその人は私を好き？らしく、星凪くんは彼を呼び出して、2人は殴り合いに。その結果、星凪くんはボロボロになってしまった。

私がSNSで、色んな人と絡みがあるからこそ、その人たちに嫉妬した星凪くんは、ずっと苛立っていて、心に余裕を持てなかった。だから会うのを躊躇《ためら》っていたと言う。そして、昨日、本屋さん前で、その同級生と電話で口論になっていて、それを私に見られたとか。だからあんなにも怖い顔してたんだ。

「俺、愛莉菜が好きだよ。だから、嫌いにならないで欲しいんだ。俺はさ、本当すぐ手出るし、愛莉菜と仲良い奴、全員に嫉妬するし、まじでこの世界、俺と愛莉菜だけならいいのに。とか、本気で思うけど、だけど、こんな俺でも嫌わないで欲しい。」