電話は切れた。

涙が静かに頬を伝ったのは、"最悪"を考えてしまったから。

明日が最後かもしれないなんて、どうしても思ってしまうんだ。

「…明日、行きたくないなぁ。」

ケータイを握り締めて、私は枕に顔を埋め泣いた。

会いたいと言ったのは私なのに、明日会えばきっと、別れを切り出される気がして会いたくない。

大好きな人を怖いと思ってしまったけれど、それでも好きなんだよ。大好き。だから、突き放されるのが怖い。お願い、嫌いにならないで…。

星凪くんの未来にはもう、私は居ないの?嫌だよ、ねぇ、星凪くん…。

次の日起きると、目は真っ赤になっていて、泣き腫らしたこの顔じゃ、会うのも気が引ける。

重たい気持ちのまま、私は星凪くんから貰った黒いスカートを履いて、半袖を着て、トートバッグを手に持つと家を出た。

公園に向かう足取りが重く、今すぐ逃げたい気持ちでいっぱいになる。

待ち合わせの時間より早く着きすぎてしまった。
私はずっとブランコに座り俯いている。

日差しが強くて、また日焼け止めを塗り忘れたと後悔。公園には、元気よく遊びまわる子供たち。