友達も上手く作れなくて、移動教室も独り。
私の居場所は何処にもない。
そして今日も、独り夜の街を彷徨《さまよ》う。
4月中旬になると、桜が満開に。やっぱり今年は、開花が早い。夜桜綺麗だなぁ。
ブレザーのポケットに両手を入れて、賑やかな飲食街を歩く。見上げた空には月が輝いていて、その優しい光が欲しくなった。
「…ケータイないとか、まじ有り得ない。」
没収されたのは約束を守らなかったから。分かってる、全部私のせいだって事くらい。だけど、ケータイがないと、本当に独りぼっちなんだと、嫌でも思い知らされるんだ…。
SNSには、仲良くしてくれる人たちが居るけれど、結局はネット上での関係でしかない。会った事もないし。
「ゲーセン行きたいな…。」
歩きながら呟《つぶや》いた。
だけど、遊ぶおカネは持ってないから、ただブラブラ歩くだけ。
歩き続けて、冷たい夜風が頬に触れ、黒く長い髪を揺らした。私は、その髪を耳にかける。
「ぎゃはは!」
「よっわ!」
男たちの声がして、私は気になって公園に近付く。そこには、10人以上の怖い男たちに囲まれて、暴力を受ける金髪の高校生くらいの男が居た。
私の居場所は何処にもない。
そして今日も、独り夜の街を彷徨《さまよ》う。
4月中旬になると、桜が満開に。やっぱり今年は、開花が早い。夜桜綺麗だなぁ。
ブレザーのポケットに両手を入れて、賑やかな飲食街を歩く。見上げた空には月が輝いていて、その優しい光が欲しくなった。
「…ケータイないとか、まじ有り得ない。」
没収されたのは約束を守らなかったから。分かってる、全部私のせいだって事くらい。だけど、ケータイがないと、本当に独りぼっちなんだと、嫌でも思い知らされるんだ…。
SNSには、仲良くしてくれる人たちが居るけれど、結局はネット上での関係でしかない。会った事もないし。
「ゲーセン行きたいな…。」
歩きながら呟《つぶや》いた。
だけど、遊ぶおカネは持ってないから、ただブラブラ歩くだけ。
歩き続けて、冷たい夜風が頬に触れ、黒く長い髪を揺らした。私は、その髪を耳にかける。
「ぎゃはは!」
「よっわ!」
男たちの声がして、私は気になって公園に近付く。そこには、10人以上の怖い男たちに囲まれて、暴力を受ける金髪の高校生くらいの男が居た。