飲み物は、星凪くんも私も紅茶を選んだ。
ケーキには紅茶が合いそう。って言う勝手なイメージ。

「うっま!」

ナッツチョコブラウニーを一口食べて、星凪くんはもう満面な笑み。

大好きな人と大好きなものを食べるって、本当に幸せだなぁ。

「愛莉菜も食べてみ?」

そう言って、フォークでブラウニーを差し出すから、これは間接キス…というやつでは?と、思ったら、またドキドキして…。

星凪くんが口をつけたフォーク…。

「ほら、口開けて。」

なんだか恥ずかしい…。けど、ブラウニーも美味しそう。

パクッ

「⁈」

あまりの美味しさに言葉が出ない。口の中で、チョコとナッツの香りが広がっていく。

「うまいっしょ♪」

「美味しい。ケーキバイキング初めてだったから、本当に嬉しいし幸せ。誘ってくれてありがとう星凪くん。」

「またいつでも誘ってやる。あ、そのロールケーキもうまそうじゃん。」

私たちはシェアして食べた。
そして、あっという間に幸せな時間は終わっていく。

「…帰りたくない。」

帰り際、私は星凪くんの手をぎゅっと強く握った。そしたら、星凪くんが私を抱き寄せて、それは苦しいくらいに。