顔にはやっぱり絆創膏。
また喧嘩かな?

「愛莉菜っ!会いたかった!!口、キラキラしてる。リップ?可愛い♪」

突然抱きついて来るから、私は恥ずかしくて視線を下へ向ける。

リップ、気付いてくれた。嬉しい。

「…昨日も、会ったよ?」

「そうだけど。昨日は図書館で一緒に勉強だっただろ?けど今日は一緒にケーキバイキングだぜ。それに、昨日家帰ってから、会いたくて仕方なかったし。」

連絡が取れない私たちは、こうやって会う事でしか話せない。

確かに私も、会えない時間は寂しくて仕方なかった。

「行こっか!」

幸せそうに笑って、私の手を握るから、私も幸せ。

今日はケーキバイキング。そのために、夜遊びを控えて、勉強も頑張って、おかげでお母さんから、少しお小遣いを貰えた。

会場は、ホテルの1階。
2時間食べ放題で2000円以下。

甘い香りに誘われて、会場内へ吸い寄せられるように足を運ぶのは、年齢問わず女性が多く見られた。

「女しか居ねぇんだけど…俺、大丈夫?浮いてね?」

前に傷だらけのままご飯行った時は、周りなんて気にしてなかったのに、女の子しか居ない空間は、気にするのね。なんか可愛いなぁ星凪くん。2コ上だけど、何故か時々、年上って事忘れちゃう。