その言葉に、私はチラッと公園の時計を見た。時刻は午後1時を回ってる。

「…星凪くん。」

「ん?」

「…私、帰ろうかな。」

「なんで?俺、なんかした?不満があるなら言って。直すから。」

彼は必死に私を繋ぎ止めようとしてる。

「…えっと、違うの。星凪くんは何も悪くない。」

「じゃあ、何?」

私は彼の顔が見れず、ショーパンの裾をぎゅっと握って、視線は自然と足元へ。

「…私、何もしてあげれてないから。いつも、星凪くんにおカネ、使わせて…。だから、なんか、申し訳なくて…。」

「そんな事、気にすんなよ。俺が好きでやってる事だ。」

「…でも。」

「お前に貢《みつ》ぎたい。それは俺の我儘だ。」

そんな事言われたら、ほんの少しでも期待してしまう。さっき、星凪くんが私の事"俺の女"って言ったのも、気にしちゃうよ。私と同じ気持ちなんじゃないかって…。

「…なんで。」

「なんでって、そりゃ、好きだからだよ。」

自分の耳を疑って、私は顔を上げた。そこには、赤くなった顔を隠そうと、私から目を逸らす星凪くん。