袋を切って、ブラウニーにかぶりつく。上にナッツがトッピングされていて、星凪くんオススメが分かる気がした。ナッツがすごく合って、甘くて幸せになる。

ナッツとチョコの組み合わせは最強だ。

カバンには、星凪くんがゲーセンで取ってくれた、ケーキのキーホルダー。

私、いつも星凪くんから何か貰ってばかり。

彼と過ごす日々はキラキラしていて幸せ。だけど、私のためにどんどんおカネを使うから、なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

14の私は、何も出来てない。それが悔しい。



「夏休み早く来てほしいけど、宿題だりぃ〜。」

7月上旬。
私たちは公園のブランコに座っていた。

星凪くんは眩しい太陽に目を細めながら、宿題が多い事に嘆《なげ》く。

「せっかくの休みが、宿題で台無しだわ。絶対終わんねぇ〜。愛莉菜《ありな》は?宿題多い?」

「多いと思う…。絶対終わらない。最悪。」

「仲間だな!」

真夏の太陽の下で、眩しいくらいの笑顔を見せるから、私はつい目を逸《そ》らしてしまう。