料理が運ばれてくるまでの間、私たちは軽く自己紹介をする事に。

「俺は星凪《せな》。高校1年。荒れたのは、中学からだったかなぁ。そっからはもう、ずっと喧嘩の日々。弱いくせに何してんだよってな笑」

彼は笑う。怖い外見とは想像もつかないほどに、中身は優しい太陽だった。

「星凪くんは、高校、楽しい？」

「ん〜、高校生活始まったばっかだし。別に、どうだろ。ダチが居りゃ、楽しいのかもな。」

そう言って、寂しそうに笑う。

私たちはきっと、似たもの同士。

「お！パンケーキ到着〜！食おうぜ！」

フォークとナイフで、ガチャガチャ音を立て切って、星凪くんは美味しそうにパンケーキを頬張った。

頼んだ飲み物は、星凪くんはコーラフロートで、私はミルクティー。

ケータイが没収中である事や、家に帰りたくない事も、何故か、この人には素直に話せた。

星凪くんは、パンケーキを食べながら、真剣に話を聞いてくれる。

お互い甘党であり、そして孤独だった。それが2人の共通点。だからなのか、親しくなるのに、そう時間はかからなかったと思う。

星凪くんは母子家庭で、親はおカネだけをくれると言う。だからおカネには困ってないんだと、ちょっぴり自慢げに、だけど何処か寂しそうに言った。