「きょんちゃーんッ‼
会いたかったよー♡」
京子のファン兼ストーカーとして
正式認定されているわけだ。
京子と渚がスクラブに着替えて
手術の準備をしていると、
当直医の浅野と牧が手術室に入ってきた。
深夜だというのに、
両手を広げてまるで尻尾を振る犬のように
登場した牧を、京子は見る気にもなれない。
「こんな時間に君に会えるなんて
僕はなんてついてるんだろう」
「いいから早く着替えてきてください。
あと5分で患者さんが来ます」
「えぇー?もう少し2人の時間を楽しみたいのにぃ」
「2人じゃないですし。
さっさと終わらせて帰ってください」
「相変わらずクールッ!でも好きッ!」
同情の目を向ける渚と
穏やかな笑顔で見守る浅野をよそに、
牧は近くにあった椅子に座って
器械の準備をする優子を見上げた。