俺は月乃と付き合っているんだから、別に二人で出かけたって不思議でもなんともない。

なのにどうしてこんなに心がもやもやするんだ。

なんでこんなに引っかかるんだ?

隼人達に、春川に、会いたくないって思ってる。

会ったとしても普通に

「俺の彼女だよ。」

って月乃のこと紹介するくらいしたって普通なのに。

「廉?嫌だった?…お祭り行くの…」

普段から年頃の女子みたいに

「どこに行きたい!」

だの

「あれがほしい!」

だの言わない月乃の珍しいお願い。

「うん、わかった。」

俺は思い気持ちを振り払うように月乃に向かって笑いかける。

すると月乃もやっと笑顔を見せた。

その笑顔に安心して、少しだけ心が晴れた気がした。

こんなので付き合ってるって言えるんだよな。

やっぱり俺は、最低だ。

ごめんな、月乃。

心の中でその嬉しそうな横顔につぶやいた。