「えっと、姉の知り合いですか？」

春川の弟が口を開いた。

「クラスメイトです。」

「まおちゃん！ゆめね、ひーちゃんのオムライスたべる！」

そう言うと春川の妹はまたもや走り始めた。

弟は慌てて追いかけ、一礼して行ってしまった。

「廉、お待たせ！」

同じバスからいつのまにか月乃が降りてきていて。

「今の子、知り合いなの？かわいいね。」

「ん、別に。」

月乃の隣を歩きながら自転車を押す。

「明日から夏休みだね。」

「んー…」

「ねえ、廉。私、お祭り行きたい！」

「え？」

祭りって…

「ほら、毎年神社でやってるでしょ！はじめてのデートだよ？行きたい！」

でもその祭りには隼人も立花も、そして春川も来る。

「廉、お願い！」

俺はその月乃の勢いに負けてついつい返事をしてしまった。

俺が月乃といるところを見たらまた隼人はため息をつくんだろうな。