「廉と日菜ちゃんは?」

「あっ、あたしは暇だけど…」

隼人がならお前は?というふうにこちらを向いた。

…俺も多分予定はないけど、でも頭をよぎるのは月乃の存在。

だって彼女なのに、他の女子と遊びに行くのは良くないよな。

「俺は行けない。」

そう言うと隼人がわざとらしくため息をついた。

「じゃあ、あたしもいいよ!二人で行ってきて!ね?」

優しい春川はそういう。

「えー、日菜と行きたいのに!」

「そうだよ、四人で行きたかったのに!」

隼人のやつ、完全に嫌がらせだな。

なんで本人の俺が否定するのにそこまでいってくるんだろう。

前から隼人は言ってたっけ。

「廉は月乃を甘やかしてるだけ。」

その時はなにか核心を突かれたようになったけど、俺は間違っていない。

これが一番いい方法で、月乃を悲しませないでいられる。

「あっ、そうだ!そのお祭りね、優芽を連れて行く約束してたの!だから、本当に二人で行って!ね!」