そして月乃と付き合い始めてから一ヶ月。

明日から夏休みだ。

始業式が終わったあとの教室にはまだたくさん人が残っていて、楽しそうに夏休みの計画を立てている。

「なあなあ、みんなで祭り行かない?」

隼人がとつぜんそんなことを言い出した。

「いいね!行こうよ!」

すぐにのっかるのは立花。

春川は何も返事をしないでにこにこしている。

修学旅行のあとからなんとなく気まずいままの春川。

あの後席替えをして、俺と春川の席はだいぶ離れてしまい、こうして立花と隼人が話すときだけ少ししゃべるくらいの関係になった。

だけどこれでよかったんだと思う。

隼人の言ったことを認めるわけじゃないけど、春川の純粋さや優しさに、俺は甘えていたんだ。

春川のこと、気になりはじめていたのかもしれない。

このまま春川と仲良くなっていっていたら、春川のこと、好きになっていたのかもしれない。

俺にはそれはできないことだ。