「…うん、私もまだ会ってないからわからないんだけど、私の両親、離婚してるじゃない?…それで、その人、、私のお父さんとお母さん、お互いのこと嫌いになったりしたわけじゃなくて離婚したんだって。」

離婚していたのは知っていたけど、そんな理由があったことは初めて知った。

「…それで、おじいちゃんとおばあちゃんに、また会いに来るって、言ったみたい…」

月乃の、父親か。

どんな人なんだろう。

「廉、お願いがあるの…」

「ん、なに?」

月乃は俺に強く抱きついてきて。

「私と、付き合って。」

「え…付き合うって…」

月乃の目は真剣だった。

「お願い、私のそばにずっといてくれるんだよね?だったら、私の彼氏になって…」

月乃と、付き合う。

「廉、…好きな子でもできた?」

俺は湧いてきていた感情に鍵をかけた。

そして月乃を抱きしめる。

「わかった。」

そう言うと、月乃はやっと笑顔を見せて。