「じゃあ先に集合場所の近くに行って待ってよっか?」

あたしが提案すると藤咲君も了解してくれた。

二人で集合場所の近くにあるベンチに座る。

ひゃー…!

近いよ!

肩と肩がくっつきそうなくらい、近い!

「…春川、昨日はごめんな。俺、嫌なことして…」

藤咲君が口を開く。

気にしてくれてたんだ…

それだけであたしはすごく嬉しい気分になっちゃうよ。

「ううん!…先生にばれないようにしなきゃ危なかったもんね!」

わかってるの、藤咲君はなんとも思っていないこと。

だって藤咲君には綺麗な彼女もいる。

「…俺はっ…ううん、そうだな。」

わかってるよ。

でも、好きでいるくらい、許してくれる?

二人の邪魔なんでしようと思ってない。

だから、好きでいるだけ。

思いも伝えたりしないし、表にも出さない。

友達でいるから、だからお願い。

そんなことを思って藤咲君を見つめると、あたしの視線に気がついた。

だから慌てて目をそらした。