おみやげの袋をたくさん抱えた美恵ちゃんがこちらにやってくる。

「なんか久々だね!クラス違うとなかなかあえないもんだねー…」

「そうだな、つうか美恵、買いすぎじゃね?」

呆れたように笑ういっちゃんは、いつものいっちゃんに戻ってて。

さっきのいっちゃん、何だったのかな。

「伊月ー!行くってよー!」

お土産屋さんの外からいっちゃんの友達が呼ぶ声が聞こえる。

「じゃあな、日菜。また後で。」

あたしの頭を軽く撫でるといっちゃんはすぐに友達のところへ。

「ねえねえ、日菜!これお揃いで付けない?」

美恵ちゃんが指さしたのはかわいいペンギンのストラップ。

「かわいいー!付けたい!」

家族へのおみやげも十分に買ったし、そういえば、まだ自分のものをあまり買ってない。

「買おうよ!」

「うん!」

美恵ちゃん、優しいね。

本当はきっと中原君と回りたいはずなのに。

あたしになんか気を遣ってくれてる。