思い切って、口を開けるとキャラメルをポイっと入れられた。

…この味は…

「…やっぱり、…まずいの?」

笑いをこらえたような顔の藤咲君。

やっぱり?

やっぱり、って!

「…もしかして、知ってたの?まずいこと!」

「ハハッ!ごめん、春川の反応が面白かったから。」

あたしの反応?

なにそれ!

からかわれたんだ!

恥ずかしいよ…!

でも目の前には、顔をくしゃくしゃにして笑ってる藤咲君。

その笑顔があたしに向けられたものだと思うと、そんなことどうでも良くなっちゃうくらい。

「前に父さんが北海道のおみやげで買ってきて、その時俺も騙されて食べたんだけど、やっぱこれはみんなまずいって言うよな。」

藤咲君はジンギスカンキャラメルの箱を手に取りながら言う。

甘いキャラメルと、ニンニクの味が混ざって、なんとも言えない妙な味がした…

「買って隼人に食べさせようかな。」

藤咲君、何気にSだよね…