「じゃあそこのお土産でも見よっか。」

藤咲君が指さしたのは、すぐそばにあった大きなお土産屋さん。

「うん!」

中に入ると、北海道のおみやげがたくさん並んでる。

生の魚や貝、蟹なんかもある。

あたしもおみやげ買わなきゃね!

えっと、何がいいかな。

こんなにあったら迷っちゃうなあ。

見ると藤咲君がキャラメルを手にとっていた。

「これ、うまいのかな。ジンギスカンキャラメルだって。」

じ、ジンギスカン!?

ジンギスカンって昨日のお昼に食べた、羊のお肉の焼き肉だよね?

そのキャラメル?

「なんかすごいね…」

「あっ、試食がある。」

藤咲君は試食の箱から一つキャラメルを取り出すと、あたしの口の前まで持ってきた。

「春川、試食してみてよ。はい。」

ええっ!?

ジンギスカンキャラメルを!?

ていうか、このシチュエーション、あーんして、ってやつ!?

藤咲君の指が、あたしの口の前まで来てる!