顔の前で手を合わせる中原君。

「あたしは全然いいよ!うまくいくといいね。」

美恵ちゃんと中原君、美男美女でお似合いだし、性格もあってると思う。

それに多分、いま美恵ちゃんには彼氏はいない。

「…まあ、頑張れ。」

藤咲君がそう言うと、中原君はあたしと藤咲君の手を握って、何度もお礼を言いながら走っていった。

「これからどうする?」

これから…

はっ!

そうだ!

美恵ちゃんと中原君を二人きりにするってことは、あたしと藤咲君が二人きりになっちゃうってことだ。

うっかりしてて、忘れてたよ。

あー、もう!

どうしよう!

「春川、どっか見たいとことかある?」

地図を見ながら、藤咲君があたしを見下ろしてる。

どうしよう!どうしよう!

二人きりになって、ものすごく緊張しちゃうよ…

「いや、あたしは特には…藤咲君は?」

緊張して、うまく話せない。

あたし、絶対に顔赤くなってるよ!