あたしに向かってそう言う藤咲君。

いっちゃんから聞いた話によると、あのあたしが風で寝込んだ日、家までプリントを届けてくれたらしい。

優芽が王子様がいた!

って騒いでた。

「よろしくね!」

大丈夫、これからは友達としてちゃんとやっていけるから。


「くあー!長かった!」

大きく伸びをしながら中原君は飛行機を降りる。

「よし、中原隼人、北海道上陸です!」

さすがは北海道、飛行機から降りた瞬間、少しだけひんやりとした空気に包まれる。

「なんか寒いねー。」

美恵ちゃんが腕を擦る。

その後、みんなでお昼ごはんを食べて、今日は小樽見学。

なれない飛行機のせいか、昨日あまり眠れなかったせいか、宿につく頃にはヘトヘトになっていた。

今日の部屋はあたしと美恵ちゃんの二人。

「あー、隼人といると疲れるわー。」

そんなこと言ってるけど、すごく楽しそうだった。

「あっ、日菜。そういえば廉君とはどう?大丈夫だった?」