「春川、おはよ。」

席に着くといつものようにすでに座っていた春川に挨拶をする。

「おはよう、藤咲君。」

その声に少しだけ違和感を感じた。

いつもなら笑顔で、いや、笑顔なんだけど、なんだか今日の春川は無理して笑ってるようなそんな笑顔。

「なんかあったの?」

何となく気になってそう聞くと、春川は一瞬真顔になってそのあとまたすぐに笑った。

「何もないよー!一時間目数学だからやだなって思ってただけ!」

なんか、変だ。

それだけなのか?

まあ俺には関係ないけど。

授業が始まってもボーッと黒板を見つめて、手元のノートはほぼ白紙状態。

珍しいな、ノートはちゃんと毎回とるのに。

やっぱり今日の春川は変だ。