春川が急に言うと、ランチバックの中からきれいにラッピングされたものをだした。

「やった!日菜のスコーンも最高なんだよね。」

「まじ?うまそー!」

早速手を伸ばす、立花と隼人。

もしかして、助け船をだしてくれたのか?

春川を見る。

「ふっ、藤咲君もよかったらどうぞ。」

「…ありがと。」

春川がそんな器用なこと、できるわけないか。

ちょっと失礼かなと思いながら、スコーンを口にいれる。

俺は甘いもの、そんなに得意じゃないんだけど…

これはうまい。

甘すぎなくて、ほどよい口どけ。

「うまっ!日菜ちゃん!これ店出せるよ!すげえうまい!」

それは隼人も感じたよう。

「そんな…誉めすぎだよー!」

顔の前で手をふる春川。

いや、お世辞抜きですげえうまいんだけど。

「そんなことないよな!廉!」

急にふってくる隼人。

「うん、すげえうまいよ。」

素直に言うと、赤い顔をさらに赤くする。

「ありがとう!」

そして嬉しそうに、笑った。