またもや恥ずかしそうにさらに頬を染める春川。

なんだか春川には"純粋無垢"って言葉がぴったりだ。

「日菜ちゃん調理部なんだっけ?」

「う、うん…一応。週に2回の活動だけど。」

へぇ…、そうなんだ。

二年になってから2ヶ月たつけど、まだ知らないことが多い。

「えっと、中原君はバスケ部だっけ?」

遠慮がちに春川が隼人に言った。

「そうそう!廉も中学ではバスケ部だったんだよなー!」

「えっ!そうなの?」

隼人のやつ…余計なこと言いやがって。

「なんでやめちゃったの?」

立花が何気なくいった言葉。

小学生の時からクラブチームに所属するくらい大好きだったバスケをやめた理由、それはバスケよりもずっと大切なあいつのそばにいるためだ。

月乃のそばにいるために。

だけどこんなこと、言えない。

黙っていると…

「あっ、そうだ!あたし今日、スコーン作ってきたの!」