「日菜ってばまた藤咲君のこと見てたの？」

呆れたように大きくため息をつくのは美恵ちゃんこと、立花美恵。

あたしの大親友で、モデルのようにスタイルがいい美人さんで、いつもアドバイスをくれるお姉さん的存在。

「…へへへー。今日もかっこよかったー！」

「そんなに好きならさっさと告白しちゃえばいいのに。」

こっ、告白!？そんな！

あたしなんかがとんでもない！

まともに話したこともないのに！

「無理！絶対無理！」

「そんなこと言ってると、手遅れになっちゃうよ？」

それは嫌だけど…でも、やっぱり告白なんて無理だよ！

「にしてもモテますねー…学校の王子様は…」

そう言って美恵ちゃんは廊下の方を指差した。


「きゃーっ！藤咲君、今日もかっこよすぎ！」

「彼女いるのかな？」

ほら…こんなに人気者の、みんなの憧れの学校の王子様にあたしみたいななんの取り柄もない庶民が近づけないもん。