春川は続けた。

「でもね、ちいちゃんのことは大好きだよ。お母さんって言うより、お姉ちゃんってかんじだけど。」

春川は家族をすごく大切にしているのがよくわかる。

何ヶ月かぶりに春川の家の前に立つ。

なんか少し緊張してきた。

付き合ってその日に家って、結構すごいことなんじゃ…

「ただいまー!」

「ひーちゃん!おそーい!」

「ごめんね、優芽!」

春川の妹は俺に気がつくと、大きな声を上げた。

「あー!おうじさまだ!ママ!おうじさまがきた!」

王子様?

そういえば前にあった時にも言われたっけ。

春川の顔を見ると、すごく真っ赤になった。

「優芽ったら、今日来るのは王子様じゃなくて、サンタさんでしょ!」

家の中からエプロンをした若い女の人が出てきた。

この人が、春川の母親。

血は繋がってないと言っていたけど、どことなく似ているような気がする。

「ちいちゃん、ただいま…あの、優芽のお迎え行けなくてごめんね。」