腰を下ろしても、ドキドキして隣が見れない。

この状況、なんだか懐かしいな。

ほんの数ヶ月前までは、話すことさえできなかった。

同じクラスになって、初めて話して。

藤咲君のことを知れば知るほど好きになっていって。

一目惚れだったあたしの恋は、どんどん加速していった。

でもあたし、藤咲君を好きになったことを後悔してない。

藤咲君に恋して、良かったってすごく思う。

だってこんなにもたくさんのことを教えてくれたんだもん。

あたしをすごく成長させてくれたんだ。

「じゃあホームルーム終わり!羽目外しすぎんなよ!良いお年を!」

担任の先生が教室を出て行くと、一気に騒がしくなる。

「じゃあ打ち上げいくやつ、駅前のカラオケに集合な!」

「なんだよ、お前ら付き合ってんのかよ!デート!?」

みんな次々に廊下に出ていく中、あたしはノロノロとかばんのなかに配られたプリントを整理していた。